こわれもの


閑散(かんさん)とした土地を抜けると、歓楽街を横切るように国道が伸びている。

二人は、ヒロトの車で規模の大きい繁華街まで向かい、焼肉屋で夕食をとることにした。

アスカがこの焼肉屋に来るのは、去年の夏休み以来だ。

その時は、キョウを含むクラスの仲良しメンバー達と店に入った。

一緒に住んでいる祖母とは、めったに外食など行かない。


こんな時間に、男の人と二人で食事。

しかも、相手は同級生ではなく年上の人。

バイト先の顔見知りでしかなかった相手。

アスカにとって、未知の体験の連続だった。

深夜にさしかかる時間なだけありナチュラルハイになっているのか、カフェを出た頃より、アスカは楽しい気分になっていた。

焼肉屋の内装は、前来た時と変わらないが、

“一緒に来るのがヒロトさんっていうだけで、違う店に見えるよ”

アスカには変わって見えた。