こわれもの


ヒロトの腕の中、アスカは震える声で尋ねた。

「なんでそんなこと言うの?

一週間後はクリスマスだよ?」

先月、アスカはヒロトとこんな話をしていた。

クリスマスには、隣県で飾られる大規模のイルミネーションを見に行こう、と。

そこのイルミネーションは全国的にも有名で、毎年、各地から大勢の見物客がやって来る。

しかも、そのイミテーションには、カップルで見ると、二人の愛は永遠に続くというジンクスまである。

「ヒロちゃん、クリスマスの都合悪いの?

だったら別に、イルミネーションなんて見に行かなくても私は……」

アスカは、本音とは違うことをつぶやく。

「違うんだ、アスカ。

もう、俺は……。

お前のそばには、いられない……」