こわれもの


『私、遊び半分でヒロトとやり直したいなんて言ってないよ』

マキは言った。

『一週間後の夜7時。

アスカちゃんより私を選んでくれるなら、“思い出の場所”で待ってる。

来てくれなかったら、その時は今度こそ本当にヒロトのこと諦める』

最後にそう言い、マキは電話を切った。


ヒロトは頭を抱えてその場にしゃがみ込み、悩んだ。

こんなにも何かについて深く考えたのは久しぶりである。


マキとの未来を選ぶべきか。

アスカと付き合い続けて、マキとの関係を断ち切るべきか……。


“マキ……。

アスカ……”


自分の決断ひとつで、彼女達の人生が変わってしまう。

ヒロトは慎重になった。

これからアスカと会う約束をしていたのも忘れて――。