こわれもの


マキの心情を知って、ヒロトは揺れた。

元々、マキとは嫌い合って別れたわけではない。

別れた時も、ヒロトは自分のことよりマキの幸せを一番に考えたからこそ彼女から身を引けた。

自分と別れた後、マキがほかの男と再婚すると知った時、非常に寂しく絶望感を覚えながらも、マキが幸せになるのなら、自分は別れの痛みに耐えよう、と、諦めることができた。

“マキが幸せになってくれるなら、別のヤツと再婚するのも全然アリって思ったんだよ……”

しかし、現実はマキに厳しかった。

再婚生活はうまくいかず、離婚後も、元夫から養育費すらもらえないでいる……。

“こんな思いをさせるために、俺はマキと別れたんじゃない……!”