「あいつ、俺に懐いてくれてたもんな」
ヒロトは柔らかく目を細めた。
マキと付き合っていた頃、マキの子供とよく一緒に遊んでいた。
当時ヒロトは18歳だったため、父親というより歳の離れた兄のような気分でマキの子供と接していた。
それに、マキとの結婚を夢見ながらも、自分ごときが父親になれるなどとは考えられなかった。
マキの子供には、れっきとした父親が存在する。
血のつながりは、普段あまり意識しないが強固なもの。
だからこそヒロトは、自分がマキ達親子の間に入る隙間はないと思っていた。
『ヒロト、あの子達の父親になる気、ないよね……?』
「えっ……?」
マキの思わぬ発言に、ヒロトは激しく動揺した。


