「マキの気持ちは嬉しいけど、俺はアイツを裏切る気はない」
ヒロトはキッパリ、マキの告白を断った。
アスカと付き合う前だったら、マキとの再会を素直に喜べたかもしれない。
こうして告白されて、嬉しかったかもしれない。
マキへの未練も、スッキリ解消していたかもしれない。
しかし、今のヒロトは、アスカを大切にしていくつもりだ。
「もう、時間だから」
アスカとの待ち合わせに遅れそうだったので、ヒロトはマキとの話を強引に切り、車に乗り込もうとした。
「ヒロト、待って!」
助手席のドアを閉める寸前、マキが車内に手を滑り込ませた。
「じゃあ! 今日だけ私のそばにいて?
そしたら、ヒロトのことちゃんと忘れるから……」
「本当に……?」
「うん、約束する……」
そういったいきさつがあり、ヒロトはアスカとの約束をきゅうきょキャンセルせざるをえなくなった。


