泣き止むと、アスカは必ず、こう口にした。
「ヒロちゃんは、ずっとずっと、私のそばにいてくれる?
離れていかないでね……」
「当たり前じゃん。
ずっと、アスカのそばにいる」
「本当?
私のこと、ちゃんと好き?」
「好きだよ」
たとえ、まやかしだとしても、紙芝居のようにその場限りの楽しみに終わってしまうのだとしても、アスカはヒロトから期待通りの言葉をもらうことで、束の間の安心を得ていた。
「なんかね、不安なの。
今さら、ドタキャンされたことを責めるつもりはないけど、その時から、不安が増えてきたの。
ヒロちゃんは、いつか私の元からいなくなっちゃうんじゃないか、って……」
「……アスカ」
「大丈夫だよね?
私の、考え過ぎだよね?」
「アスカの考え過ぎ。
ドタキャンしたこと、本当にごめんな。
傷つけて、本当にごめん、アスカ」
ヒロトは優しくアスカを抱きしめ、その頭に軽くキスをした。
そうしてやっと、アスカは落ち着きを取り戻すことができたのだった。


