もし、ヒロトと話し合って、良くない結末になってしまったら……?
そう考えるだけで、アスカは青ざめる。
良い結果になる可能性もあるが、どうしても前向きには考えられず、暗い予想ばかりが頭をめぐる。
ヒロトとは、変わらず仲良くやっている。
それでいいではないか。
けれども、ヒロトにドタキャンされるようになってからのアスカは、以前のように、まっすぐヒロトに甘えることが出来なくなっていた。
「こないだは、ごめんな」
ヒロトにドタキャンのことを謝られても、アスカは意地を張ってしまい、心にも無いことを言ってしまう。
「別に、ヒロちゃんと会えなくても私は平気だよ。
学校のコと遊んだし」
それが、ヒロトの立場を思いやる意味だったり、心から出た言葉ならば良い方向に作用したのかもしれないが、アスカはそこまで大人になれなかった。
しかしヒロトは、アスカの言葉を額面通りには受け止めず、子供じみたアスカの言動の裏に隠された本音を読み取っていた。
「ごめんな、寂しい思いさせて」
そう言ってヒロトは、すねるアスカを抱きしめる。
ヒロトのぬくもりを感じるたび、アスカは泣きじゃくった。
嬉しいのに悲しくて、涙を流さずにはいられなかった……。


