こわれもの


バレンタイン。

ヒロトは、アスカにもらった手作りチョコをおいしそうに平らげ、それは同時にアスカの胸を満たした。


ホワイトデー。

ヒロトの優しい愛に包まれ、朝まで抱き合いながら過ごした。

ヒロトの肌のぬくもりに、アスカは全力で甘えん坊となる。


ひなまつり。

二人は、近くの神社でお参りをした。

屋台で売られていたひなあられを半分ずつして食べると、ヒロトはアスカの頭をなで、愛おしそうに彼女を見つめた。


ゴールデンウイーク。

初めて、県外旅行に行った二人。

旅先の宿で見つけた可愛い猫のストラップをおそろいでつけたり、景色を楽しみながらその土地の料理を味わった。


夏祭り。

騒がしい歩行者天国は、人通りが絶えない。

ヒロトに手を引かれ、アスカは歩いた。

真上に散る花火の群れが、ヒロトへの恋心をさらに加速させ、熱いものにする。


決して消えることのない幸せな思い出を二人の胸に残し、時は流れていく。


そうしてアスカは、高校3年の9月を迎えた。