短大に通う自分を想像できず、いまいちピンと来ないが、自分だけ取り残される不安感を紛らわすため、アスカはキョウに話を合わせた。
「私も、キョウと同じ短大にしよっかなぁ……」
「そうしなよ、アスカと一緒なら楽しそうだし」
ノリの良いキョウをみて、アスカはホッとした。
“進路決めてるキョウを見て、一瞬、別人みたいに感じたけど、キョウはキョウだよね”
担任に突き返された白紙の進路希望用紙に、《○○短期大学》と殴り書きすると、アスカは伸びをし、キョウに言った。
「みんな、よく将来のこととか決められるよね。
同棲研究大学とか、恋愛上達専門学校とか、ないのかなー?
そしたら、私、迷わずそこに行くのに」
「はははは! それ、面白そう!」
意外にウケたらしく、キョウは肩を揺らして大爆笑した。
アスカが気分を良くしていると、
「んなアホな学校行きたがるの、お前くらいだわ」
アスカの背後で、マツリが仏頂面で仁王立ちしている。
「アンタみたいな堅物(かたぶつ)になるくらいなら、アホのままでいいや」
「そこまで来ると、救いようがないな。
そんなにヒロトのことばっか考えてたいなら、本屋にでも行って恋愛指南書とか自己啓発本でも立ち読みしてれば?
漢字の勉強にくらいはなるんじゃね」


