角を曲がった廊下の先にあった大きな扉。
それをゆっくりと開ける。
思わず息を呑んでしまうほどの広い室内。
透き通るような壁は、あちこちに灯された炎が反射してキラキラと輝く。
僕達の姿が映る程のクリアな床。
そして、一番奥に台座があり、そこには確かに人の気配がした。
ぱちぱちと目を瞬かせて、その姿を凝視する。
その人は髪の毛全てをローブで覆い、口元には微笑を携えていた。
肘掛けに肘を立て、その手を顎へと持っていく。
動けずにいる僕達に、その人がゆっくりと口を開いた。
「ようこそ、とでも言っておきましょうか」
思ってたよりも、高い声がした。
ローブの所為で、顔が見えない。
だけど、紅く艶のある唇だけが見えてそれが一層不気味だ。
「お前はエレノアか」
臆せずにそう尋ねられるカタラは本当に凄いと思う。
ふふっと笑うとその人はハッキリした声で言った。
「そうよ」



