どうやら、僕の父親はなんちゃら流派とかの師範代で、凄い人物だったんだと。
それを知らない僕は、イマイチ実感がない。


小さい頃から一緒にいる、キョウとサーシャが僕の家族みたいなもんだ。


「だから、ルーイもそれに恥じない様に…って、ルーイ!?」


サーシャは話す事に夢中になっていたから、僕は隙をみて逃げ出した。
サーシャの前には肩をすくめて、苦笑いするキョウ。



帰ったらまた雷落ちるんだろうな。
でも、稽古とか面倒だもん。


強くなりたい願望なんてないし。


この村以外は危険だって大人は言うけど、僕はここから出るつもりないし。
一生、この村でキョウとサーシャと過ごせればいいやって思ってるし。



村の外にある、森に入ると僕はいつもの場所へと向かった。