そこにサーシャの

「ルーーーーイ!!!!」

という、怒声が聞こえた。


キョウと顔を見合わせて、苦笑いをする。
その奥から、地鳴りでもしそうな程にドンドンと音を立ててこっちに向かってくるサーシャの姿。


「ルーイ!」


さっとキョウの後ろに咄嗟に隠れてしまう僕。
そんな僕に苦笑するキョウ。



「またキョウの後ろに隠れて!!
稽古、サボったでしょ!!」

「だって、疲れるんだもん」

「はああ!?当たり前でしょ!!稽古なんだから!!」


僕の言葉に、サーシャは頭から湯気が出そうなほど怒っている。
でも、こんな平和な世界で、稽古なんて必要ないと思うし。

皆、よくやるよって僕は思うわ。
サーシャも含めて。


「あのね、ルーイのお父さんはね」


サーシャは溜め息をつくと、腕を組みながら話し出す。


…また始まった。