奇跡事【完結】



「え?パチフィスタって、え?」


サーシャがキョロキョロと見回した。
もちろん、そこには誰もいない。


「おい、いい加減出てこい」

「ハイハイ。久々なのにカタラは怖いなあ~」


そう言いながら、すうっと突然その姿が現れた。
サーシャの隣に立っていたらしい。


それに、僕達三人は目を見開いた。



「え?え!?」


突然、隣に人が現れて驚いたサーシャは一歩下がると言葉を漏らす。
頭が正常に働かないのか、ハッキリと喋ることが出来ないようだ。


かくいう僕も、言葉を失っているのだけど。


「ハイハイ、お嬢さん。こんにちは。
可愛いね。どう?このまま一緒にここに住むってのは」

「はいっ!?」

「だって、可愛いしさ、その可愛さは罪だと思うんだあ。
どうどう?どうかなあ」

「……パチフィスタ。それ以上、おかしな事を言ったら口を塞ぐぞ」


額に筋が浮かんでいるカタラは低い声を出した。
相当怒っているらしい。