奇跡事【完結】


「店主、ありがとう。そうだ。今日はパチフィスタはいるか?」

「あ~パチか。彼は変わり者だからね。誰もどこにいるか知らないんじゃないかい?」

「くくっ、だろうな。探してみるよ。世話になったな」

「ああ、また来ておくれ」



パチフィスタって誰なんだろう。
その説明をすることなく、カタラは先へと進む。

僕達もそれに付いて行った。


珍しい装飾品などもたくさんあって、本当に見てるだけでここはわくわくするな。


それからまた暫く歩いたカタラはぴたりと足を止めると、顔を顰めてこっちを振り向く。
何かしてしまったのかと思って、僕達はカタラを見るけどカタラは僕達を見ていない。

キョウもこっちを見ているけど、その顔はよくわかってないみたいだ。



「……はあ、パチフィスタ。悪趣味だ」


そう言って、カタラは大きく溜め息を吐いた。