綺麗な色をした果物。
こんなの初めてだ。
僕達はそれにおそるおそる口を付ける。
途端に、口の中に甘い香りが広がった。
「美味しい!!」
「僕もこんな美味しいの初めて」
「……美味しい」
口々に歓喜の言葉を漏らすと、お店のおじさんが愉快そうに笑った。
それはカタラもだったけど。
「お客さんはマンゴー初めてなのかい?」
「うん、初めて。リンゴとか、クサイチゴとかしか森で採れなかったから」
「そうかい。マンゴーは暖かい地域でしか採れないんだ。
ここで採れるのはエレノアの恵みのお陰だね」
「……エレノアの恵み?」
どういう事だ?
エレノアの恵み?



