奇跡事【完結】



「キョウは狩りの才能があるかもしれないな」

「……そうかな。俺、何も出来なかったし」

「だけど獲物を狙う目が鋭かった」

「何、それ」

「まあ、これから何度もチャンスはある。俺のを見て覚えればいい」

「……」


余程、悔しかったのか。キョウは眉根を寄せて、口を噤んだ。
カタラが調理してくれた動物達を、御馳走してくれて僕らのお腹は満たされた。

手際が良かったから、やっぱり慣れているらしい。



「明日も朝から移動するからもう寝ることだな」


火を消すと僕達は床にゴロンっと寝転がった。
体が疲れていたこともあり、横になるとすぐに眠りに落ちた。





そして、聞こえるのは。