奇跡事【完結】



「これで獣は近寄って来ないだろう。
俺は食糧調達に行く」

「食料調達って、何するの?」

「動物を狩って来る」

「出来るの!?そんな事」

「ああ」


サーシャは凄いって手を叩きながらはしゃいでいた。


カタラって本当何でも出来るんだ。
凄い。素直に感心する。


それに引き換え、僕はかなり足手まといだ。
こんな調子で旅なんて出来るのかな。



「それなら俺も付いて行っていい?
これからずっとカタラといるかわからないし、教えて欲しい」



キョウはカタラの前まで行くと、そう尋ねる。
少しだけ目を見張るとカタラはふっと笑った。



「ああ、構わない。付いてこれたらな」

「…付いて行くさ」


挑発する様にカタラが言うと、キョウは静かにそう答えた。
それにカタラはおかしそうに、くくっと喉を鳴らす。