「いや、俺は魔物、だと聞いたな。
……もしかしたら、どこかに魔物自体を封印したのかもしれないな」

「どこかに?」

「ああ、マークはケーラを賊から守っていたからな。
その理由は知らなかったが、結界を作る力があるんだ。
どこかに封印する事だって可能だろう」

「そっか。確かにそれなら納得だね」



マークおじさんが、ケーラに結界を張っていた理由か。
確かに、どうしてなんだろう。

ケーラ村には何もなかったと思うんだけど。



「まあ、俺にはわかんねえが」


ふっと自嘲すると、カタラは先に歩き出した。
その後を僕達は黙って付いて行く。


誰も口には出さないが、考えてる事はきっと変わらないだろう。



ケーラ村でマークおじさんが守っていたモノ。
僕達が何も知らされていなかった理由。
突然消えたルイードや、魔物達。



暫く歩いていたとこに、サーシャの明るい声が響く。


「そういえばさー」


崖に面した山道は終わったらしい。
また森の中に入った僕達は、それを掻き分けていく。