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「……はあ、はあっ」

「ちょっと、ルーイ。疲れるの早過ぎ」

「だって」



ロクに稽古もしていない僕の体力は、きっとサーシャよりもないだろうな。
現にサーシャはピンピンしてる。
まだまだ走れますよって感じだし。



「はあ。これだといつマヒアに到着するかわからないな」


カタラも息をつくと呆れた顔で言った。
もう少し頑張るけどさ。


だって、さっきから足場の悪い獣道を歩いてたし、それを抜けたと思ったら今度は崖と隣接した山道だし。
どうなってんの。


ケーラ村ってかなりの秘境じゃないか。
こんな場所に住んでたなんて知らないよ。僕。



「まあ、ここに来るまでに労力が必要だから、マークの元を訪れる人は少なかったな。
ほら。これ飲め」


そう言うと、カタラは僕に何かを投げた。
「わっ」っと小さく声を出しながらそれを受け止める。


それは、瓶みたいな形をした飲み物を入れる容器だった。



「ありがとう」


蓋を開けると有難くそれをいただく。
喉が潤って幾許か、体力も戻って来た様に思える。



汗を拭うと蓋を閉めて、カタラに返した。