「マーク以上の使い手なんだよ、エレノアは」

「……」

「だから、その神殿にはここと同じ様に結界が張られていて誰も中へと足を踏み入れる事すら出来ない」

「そんな」


サーシャは顔を曇らせるとそう呟く。



「中へ入る事が出来るのは、マークと同等の魔導士ぐらいだと言われてるからな」

「それじゃ、無理じゃない」

「ああ、要するに無理なんだ」

「……それでも、俺達はそこへと向かうしかない」



肩を落とす僕達にキョウは俯きながら、そう強く発した。
三人でキョウを見つめる。


スッと顔を上げたキョウは、僕とサーシャに視線を移すと口を開く。



「例え中に入れなかったとしても、そこに行く価値はあると思う」

「……キョウ」

「確かにな。それはあるかもしれないな」



カタラがキョウの言葉に小さく頷く。