「ね、ルーイ、手加減ってモノはないの」

「ケホ、俺にまで、酷くない?」

「うるさい」


僕達はケーラで生活をしていた。
ゆっくりと時間をかけて、復興させ村になって来た光景をパチフィスタに披露したら彼は涙を流していた。


その時、僕は初めてパチフィスタの涙を見た。
カタラが死んだ時だって涙を流さなかったのに。



それなりに僕達は平穏に暮らしていた。
何かが欠けているのはわかっていたけど、誰もそれについては言わなかった。



「ごめんって、ルーイ」
「ルーイー」


僕を呼ぶ二人を無視していると、森の奥で木々がガサガサと揺れた。
獣だろうか。
別に珍しい事じゃない。


然程気にせずいたが、二人は違っているようで。


「どっちが先に捕まえるか勝負だ」

「望むところだ」


なんて言いながら腕まくりをしつつ、音がした方へと静かに進んで行く。
だけど、そこからひょこっと姿を見せたのは獣なんかじゃなかった。