「……お前達の無知さ加減には驚かされる」
「だって、ケーラから出た事ないし」
サーシャはカタラにそう返されて、口を尖らせる。
好きで無知でいたんじゃない。
知る機会が本当になかったんだ。
もしかしたら、これから外に出て何か知る事が出来たかもしれないが今となってはわからない。
「マークは大魔導士だ。その力を使って、装飾品に魔力を封じ込める事が出来たんだ。
魔導士の力がこもった装飾品を使えば、魔法が使えるというわけだ。……ん?」
カタラは説明しながら、ある一点を見つめると目を見開いた。
「……その、短剣」
「え?」
見ていたのは僕の手にあった短剣だった。
これが何だというのだろうか。



