僕の頭に浮かぶのは、エレノアの話ししてくれた言葉だった。



“どうすれば、幸せになれる?
どうしたら?
どうしたってなれないのなら。
私が幸せを壊してあげる。”



エレノアは幸せに、なりたかっただけなのかもしれない。


サーティスが自分のモノにならないなら、苦しめる。
そんな方法しか浮かばなかったんだ。




“でも、死ぬのなら一人で十分よ”
“ルーイ。私の可愛い息子。”


エレノアは、僕を大事に想っていてくれたのだろうか。
冷静になんてなれなくて、何も考えられなかったけど。


初めて会いに行った時も、僕達を二人だけにしていた。
それって、三人で話しをしたかったから。


“ふふ。染まるのも、堕ちるのも簡単よ。”


きっと、エレノアは闇に染まる事を否定はしない。
それでも、自分の子供にはそうなって欲しくなかったんじゃないか。



“聡い子。だけど。”
“それはきっと、貴方を苦しめるに違いないわ。”



“封印したのよ。マークがね。さあ、どこに封印したのでしょうね。”
“うん。どこに封印したのか、教えてくれなかったし、知らないけどね。
何かきっかけがあって、その封印が解けたらまた魔物が現れたりとかするんじゃない?”