「ルーイ!」


僕の名前を誰かが呼んでいる気がする。
ぼやける視界が段々とクリアになっていく。



「大丈夫か!おい!しっかりしろ、ルーイ!」
「ちょっと!ねえ!大丈夫なの!?」


肩を揺さぶられ、僕はやっとその人物が誰だかを認識した。


「……か、たら、ぱち、ふぃすた」


途切れ途切れに呟くと、二人ははあっと安堵の息を吐く。



「あまりにも戻ってくるのが遅いから、何かあったのかと思ったんだよ!」

「したら、結界もないし、エレノアの気配がしないし。
この惨状じゃんか。
……一体何があったの」

「……」

「サーティスと、キョウはどうなったの」


パチフィスタがそう尋ねるが、僕は顔を俯かせるだけだ。
全てを話すにはまだ時間が必要だった。