「ルーイ、邪魔するな」
キョウがその炎を消そうと風を巻き起こすが、それは更に強く燃え上がり逆効果だった。
「くっ」
顔を歪めたキョウは、両手を合わせると目を閉じる。
そして、前方にかざす。
キョウを阻んでいた炎の壁に、丸い穴が出来てそこをキョウは通り抜けた。
「キョウ!」
僕は痛む体を無理矢理奮い立たせ、魔法ですぐにキョウの後ろに移動した。
対峙するエレノアとキョウ。
その後ろに僕がいた。
「いいわ。その瞳。とっても素敵だわ」
「サーティスから聞いた。サーティスを殺すにはお前を殺す以外ないと」
「そうね。私を殺す以外ないわね」
「だから、お前を殺してサーティスを殺す」
キョウが出したのはサーティスが持っていた剣だった。
その剣をエレノアに向け、物凄い速さで走って行く。
だけど、その剣をエレノアはひらりと躱す。
姿を消しては現れ、不気味な笑い声だけが部屋に木霊していた。
これじゃ、エレノアは殺せない。
僕はエレノアの元へ向かうと、その体を後ろから捕まえる。
そして、キョウに向かって叫んだ。



