「決まったようだね」


パチフィスタは僕の顔を見るとニッコリと微笑む。
カタラはずっと黙ったままだ。
どこまで知っていたのだろうか。

僕にはわからない。


カタラは僕の視線に気付いたのか、顔を上げる。
じっと僕の顔を見つめた後、口を開いた。


「ルーイ。大丈夫か」

「……」


その大丈夫か、は何の大丈夫かだろうか。
人を殺す事が、だろうか。



「うん、大丈夫」


そう言って微かに笑みを作ると、カタラも少しだけ頬を緩ませた。



「だけど、二人は僕に付いて来ないで」

「え」
「え?」


僕がそう告げると、二人が同時に言葉を発した。
すぐに僕に詰め寄ったのはパチフィスタだ。


「どういう事?一人で行く気?」

「パチフィスタはカタラの側にいて欲しい。そんなケガで行けるわけないよ」

「……」


パチフィスタはカタラの事をちらりと一瞥した後、バツが悪そうに俯いた。
こう言えばパチフィスタはきっと付いて来ない。

カタラの傷は自分の所為だって思ってるから。