奇跡事【完結】


伸ばした俺の手が宙を舞う。
もう、何も感じなかった。


痛くて、痛くて、感情が追い付かなかった。


なあ、サーシャ。


こんな想いをさせるぐらいなら。
それなら、もう俺が殺してやるから。



サーシャを見付けたら殺してやるから。



他の誰でもない、俺が。


愛してる、サーシャ。



もう、二度とお前が俺を愛してると言わなくても。
俺の名前を呼んで嬉しそうに笑わなくても。


俺がどうしたって、殺してしまう運命ならば。


せめて、俺を好きだと思う前に。
愛した男に殺されるだなんて。


そんな残酷な想いを感じさせない様に。



苦しむのは。

俺だけでいいから。