奇跡事【完結】


不思議そうな顔をしてる僕達に、カタラは大きく溜め息をついた。


「何も知らないのか…」

「えっと…何を?」



僕がそう尋ねると、カタラは眉根を寄せて難しい顔を見せる。
それから、僕達の前に座った。


「ここに入るには呪文が必要なんだ。逆も然り。
なのに、今日この森には何もなかった。魔法の力もなかった。
おかしいとは思ったんだ」

「……」

「なあ。小さい時、外に出ようとして森で迷った事ないか?」

「……ある」

「だろ?それは魔法の所為だ。簡単にケーラに賊を入れない様にしてたんだ」

「でも、それとマークおじさんと何の関係が…」

「その封印を作っていたのがマークだ」

「えっ!?」


耳を疑った。

あの、マークおじさんが封印を作っていた?


突然の事過ぎて、話についていけない。


驚きの声を発したのは、僕だけじゃない。
サーシャとキョウも同じだった。