奇跡事【完結】



「……」

「気を付けてね」


それに俺は曖昧に笑うとパチフィスタの元を後にした。




翌日も、またその翌日もサーシャは現れなかった。
また来ると言っていたサーシャ。

だけど、来なくて心のどこかではホッとしていたのかもしれない。


俺の前にさえ姿を現わさなければ、サーシャは普通に生活出来るんだ。
それなら来なくていい。


サーシャが笑っているならそれでいい。



だけど、またサーシャは俺の前に現れた。
変わらない笑顔を携えて。


「サーティス」



そうやって俺の名を呼び、笑うんだ。

来ないでくれと願ったのに。
それでも、サーシャに会えると心が勝手に弾む。


こんな温かさ、他では味わえない。
そして、どうしても愛しいと思うんだ。