奇跡事【完結】


涙が頬を伝う。



「うああああああああっっ!!!!!」


ぎゅうっとサーシャを抱き締め、俺は叫んだ。



また。
俺は。

……サーシャを殺してしまったのか。


離れていれば殺す事はないと思っていたのに。



「こんなうまくいくなんて思わなかったよ」

「……」


俯く俺の視界に映り込んだ足。
ゆっくりと涙で濡れている顔を上げ、そいつを睨みつけた。


「でも、感謝してよ。これでサーティスの呪いは解ける」

「……何を、言ってるんだ」

「エレノア様が言っていたんだ。サーティスの呪いを解くには実の妹を殺せばいいと」

「ふざけるな!」


俺は立ち上がるとズマーニャの胸倉を掴む。
実の妹を殺せば呪いが解けるだと?


俺の呪いは“実の妹を殺す事”なのに?



「何を怒っているんだ」



ズマーニャは本当に理解が出来ないようだ。
きっと何も知らなかったんだ。


俺の呪いの事も。