自分以上の使い手がいないという自信の表れなのだろうか。
マークもエレノアを憎みきれないと言っていた。
パチフィスタもエレノアには敵わないと言っていた。
それでも立ち向かうとしたら俺だけの筈だ。
だけど、肝心の俺は中に入れない。
俺を入れない理由が一つだけ思い浮かんだ。
……簡単にエレノアを殺させない為だったのだろうか。
俺にもっと呪いで苦しんでもらう為に。
「エレノアは君が思っている以上に酷い人間だよ。
人を殺すことに躊躇なんてしない。きっと、誰よりも黒い」
「……それでも、エレノア様の本性がどうだろうと俺には関係ない。
俺はエレノア様に仕えるだけだ」
「へえ。凄い忠誠心。感心しちゃうね」
「命を救ってもらった。その事実だけは変えられないからな」
「なるほどね。僕がエレノアに会ってもいいんだけど、苦手なんだよね。エレノアと話すの。
どうする?サーティス」
「……今日は引き下がるしかない」
「まあ、そうなっちゃうよね」
「何度訪れようがエレノア様には会わせる気はない」
そう言って、俺達を睨みつけたズマーニャは踵を返して神殿の中へと入って行った。
パチフィスタは彼の後姿を見つめながら呟く。



