俺とズマーニャは口を開くがないままパチフィスタの言葉を待っていた。
緩く微笑むと、パチフィスタは続ける。
「普通の人が入れないってのは、きっと魔力がある人しか入れないって事なんだよ。
それも一定の、ね」
パチフィスタは頭の後ろで手を組むと、ゆっくりと移動しながら話をした。
「僕がすんなり入れたのはそれなりに魔力があるから。
きっと、えーっと、ズマーニャだっけ?君も一人では入れないんじゃない?」
「……」
図星なのか、ズマーニャは口を噤むと拳をぐっと握り締めるだけだ。
「そんで、サーティスが入れないのはエレノアに呪いをかけられているからだ」
「呪い……?」
「そう。一生解けない呪い。どういう仕組みなんだろうね。
そんな結界みたいなの作っちゃうとか、僕には理解出来ないよ」
おどけたように言うと、パチフィスタは肩を竦めた。
「君のご主人様は何の為にそんな結界作ったんだろうね」
「……お前達みたいな輩を入れない為だろ。
エレノア様は命を狙われる事もある」
「そう?それだったら逆でしょ?僕達みたいな魔力を持った人間を入れない様にする筈だ」
「……」
確かにそうだ。パチフィスタの言う通りだ。
パチフィスタは明らかにエレノアに殺意を持っている。
それに、俺に殺されたいと言っていたエレノアが俺を入れない様にするのはおかしい。



