「……え、れの、あ」


相変わらず、不気味な笑みを浮かべている。
俺を見るとその口元が緩んだ。



「素敵な眺めだと思わない?」

「お前が、やったのか」

「私?」



そう言うと、エレノアは俺の元へとやってくる。
目の前まで来るとそっと俺の手に何かを握らせた。


それは血で濡れた剣だった。


離さない様にぎゅうっと握らせる。



「殺したのは貴方。サーティス」

「何を、言って……」

「そろそろあの女が来るわね」

「っ!?」



心底、楽しそうな顔で笑ったエレノアはそれ以上何も言わずこの場から消え去った。


足が張り付いたかの様に、その場所から動けない。
そんな俺の後ろから聞こえた悲鳴。



「きゃあああっ」


ハッとして振り返る。
見せたくなんてなかった。こんな光景。