トライシオンと、サーシャ、二人に道中何があったとか、質問攻めされた俺は曖昧に答えるしかない。
そのほとんどを洞窟で過ごした事も、エレノアに会った事も言えない。


母親に会った事しか話せなかった。
そこにサーシャの父親が帰宅して来たから、俺はやっと質問攻めから逃れられると安堵の息を漏らした。



翌日から、朝早く起きて剣の稽古をした。
それを見ていたトライシオンも、教えて欲しいというから一緒に稽古した。


それが終わると、サーシャと一緒に山菜を取りに行ったりした。



このまま、ずっとこんな時間を過ごせたらいい。
そう、思っていた。


だけど、それは儚い希望で、呆気なく消え去ってしまうんだ。