「あんま笑わないけどね、サーティスが優しいのは知ってる。
でも、たまにヤキモチ妬いちゃうんだ」

「……ヤキモチ?」

「うん。私のサーティスなのにな、って。へへ。子供みたい」

「……」

「あ、でもサーティスが優しいところも大好きなんだよ!
だから、冷たく接してくれとかそんな事思ってるわけじゃなくって、違……」


サーシャの言葉を待たずに、俺はその体を抱き寄せる。
背中に腕を回して手に力を込めた。


伝わる温もりがどうしようもなく愛しい。



「……少しの間、会えないけど我慢出来るか?」

「……うん」

「サーシャ、俺にはお前しかいない。だから、何も心配する事はない」

「……」

「何か言葉が必要か」

「……ううん、要らない。だけど…」


そこで言葉を区切るサーシャ。
不思議に思った俺は、少しだけ距離をあけサーシャの顔を覗き込む。


サーシャも顔を上げ、視線が絡み合った。
少し潤んだ瞳でサーシャはぽつりと呟く。