パチフィスタからは強い魔力を感じた。
だけど、人目を避けるようにあの場所にいた背景にはきっと双子が関係してるのだろう。



一度、俺は村を出て母親に会いに行くと皆に告げた。
そして、明日が村を出る日だった。



トライシオンは早々に眠りに就いていたから、起こさない様に静かに部屋を抜け出すと外へと出た。


あの小川の畔に腰を下ろすと俺は空を見上げる。
やっぱりここは空気が澄んでいて、気持ちがいい。


呻るぐらい見事な星空。
その下で想うのは、やはりサーシャの事だった。


ほんの少し離れるだけだというのに、それを寂しく思っていた。


この村に来る道程よりも、自分の村へ向かう道程の方が険しい。
トライシオンを連れて行くわけにはいかなかった。


それにサーシャにも、村の人にも懐いている。
それなら余計離すのは可哀想だ。近い距離でもないし。


そんな事を考えていると、俺の背中に声がかかる。


「サーティス、やっぱりここにいた」