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「とりあえず、この湖で水分補給」

「そうだね」



僕が寝ていたいつもの場所。
その小さな湖のほとりに膝頭をつけて、キョウは両手で水を掬った。


僕とサーシャも倣う様に、水を掬うと口に含む。


ひんやりとしていて、ゴクリと喉に流し込んだ後。
どこか、ホッと息をつく自分がいた。



さっきから全身を緊張感が包んでいたから、水を飲むことで少しだけ和らいだ気がする。

それはサーシャとキョウも同じ様で、表情が少しだけ緩んだ気がした。



「森がどれだけ深いかもわからないから、朝を迎えてからの方がいいのかな」

「どうだろう。結局、私達って森の外に出た事ないもんね」

「うん、キョウと森の中で迷子になったぐらい」

「あの時もサーシャ、カンッカンに怒ってたよな」

「だって、私抜きで遊びに行くから!」


頬を膨らませて怒るサーシャは、湖に入れていた手を思いっ切り上にあげる。
と、同時に僕達に水がかかった。