「トライシオンに想い合ってるって言われて、嬉しかったんだ」


顔を赤くしているサーシャは本当に嬉しそうに笑っていた。
キラキラと輝くその笑顔に、少しの間俺は見惚れていた。


ふいにこっちを向いたサーシャと目が合って、ハッとした俺は視線を逸らす。


「サーティスは私の事、どう想ってる?」


そう尋ねるサーシャの顔が見れず、俺は俯いたまま黙った。
どう、想ってるって。



「……」

「……」

「……」

「……や、やっぱなし。いい。聞くの怖い、なし。行くね、私!」



サーシャは大袈裟に手を振り誤魔化すと、踵を返し慌てて立ち去ろうとした。
だから、俺は咄嗟にその腕を掴むとぐいっと自分に引き寄せる。


こちらを向かせ、サーシャの背中に手を回す。
驚いた声を出すサーシャを黙らせる様に、俺はその唇を奪った。


そっと触れた唇。


サーシャは目をぱちくりとさせながら、真っ赤な顔で俺を見つめていた。
それにふっと笑う。