翌朝、サーシャに見送られながら俺は出発した。
色々食べ物を持たされて、苦笑気味だったけど。


それでも、その好意は素直に受け取った。


父親が死んで、エレノアと出会った俺の張り詰めた心を癒してくれたのは、サーシャだった。


どこまで東に向かえばいいだろうか。
俺はサーシャのいた村から、太陽を頼りに真っ直ぐに東へと向かう。


また倒れない様にちゃんと休息は取って、歩いた。
数日歩いたけど、そんな場所は見えて来ない。


また数日歩いて微かに家が見えて、俺ははあっと一度息をつく。


やっと、か。


あそこに妹がいるのか。


“呪いをかけたの。貴方は妹とは会えない。
そういう呪いを、ね”


ぐっと拳を作る。キッと見えた家を睨みつけた。
そんな呪い、跳ね返してやる。


妹に会えるのは、嬉しさなのだろうか。
どんな感情なのだろうか。


少しだけ顔が強張る。明らかに緊張していた。
拒絶されたらそれは受け入れるしかない。


妹には妹の人生があるのだから。