「食べないの?えー勿体ないよ。食べ物は大切なんだよ。
村長も言ってたよ。エレノア様がいるから、食べ物にありつけるって」
「……」
「エレノア様が木々に力を与えて果実を生らせてるって聞いたんだ。
知ってる?マヒアの周りに木々が多いのはそのお陰なんだって」
あの魔力にはそんな力もあるのか。
木々を育てる力。命を与える力。
……見せかけだけの、か。
笑えるな。エレノアの素顔を誰も知らない。
「少しでも食べて元気つけないと」
「……」
そう言うと、サーシャが皿からパンを一つ取ってちぎってくれる。
「はい、どーぞ」
「要らない」
「どうして。あ。もしかして何か変なモノでも入ってるとか思ってる?
そんな事しないよ!ほら」
ハッとしながらサーシャは無実を証明するように、ちぎったパンを口に放り込む。
モグモグしながら
「……美味しい」
そう呟く。
と、同時にぐ~っとサーシャのお腹が鳴った。



