奇跡事【完結】



「……」

「私達がマヒア行ったのも、エレノア様の恵みを受ける為だったの」

「……恵みを受けるってどうするんだ?」

「長生き出来ますように。幸せに暮らせますように。
生きとし生けるもの全てに幸あれ。って、聞いたことない?」

「ない」

「そっか。うちでは昔からそう言われてるんだよ。
それで、18になったらエレノア様に直接加護を受けるんだ」

「……今、18なのか」

「うん。なってちょっと経つかな」


俺と同い年か。
見えないな。どこか、温かい雰囲気を纏ってるサーシャ。



「あっ、ご飯食べて。見た目は良くないかもしれないけど、美味しいんだよ」

「いや、いい」

「何で?苦手なモノでもあった?」

「そうじゃない」

「私が食べさせてあげるから食べる?」

「は?」

「お母さんが具合悪くなった時とか、食べさせてくれてたからさ。
サーティスも今具合良くないでしょ?」

「……いい。俺は子供じゃない」


今、誰かの手料理を口にしたいと思わない。
自分で手にした食べ物以外。