奇跡事【完結】



「また無理して倒れたらどうするの!?
私とお父さんがたまたま通りかかったから助かったけど!!」

「……」

「あんまマヒア行かないんだから!」

「……お前もマヒアにいたのか」

「お前も?って、え?貴方もいたの?」

「ああ」

「そうだったんだ。あ、ねえ、貴方の名前は?」


手をぱちんと合わせると、首を傾げて髪の毛を揺らしながら彼女が尋ねてきた。


「私はね、サーシャ。ねえ、教えて」

「……サーティス」

「へえ。サーティスね。なんか、私と名前似てるね」

「……」


コロコロと笑うサーシャ。


「サーティス、お腹は空いてない?これ、私が作ったの。冷めちゃったけど」

「……父親は?」

「お父さん?今ね、村長に会いに行ってるよ。
エレノア様の恵みを受けて来たって」

「っ!」


エレノア、様。
こんな遠い場所でもエレノアは恵みだと崇められているのか。