「マヒアはもうすぐだ」


俺達はマヒアを目指して数日歩いていた。
ズマーニャがそう言って指をさす。
俺はそれを目で辿ると、その先には確かに街が見えた。


「あれがマヒアか?」

「そうだ」


マヒアは思ってた以上に栄えていた。
人も多いし、店も賑わっている。

見た事もない装飾品や、食料があった。


「凄いな」

「マヒアはいつもこんな感じだ」

「そうなのか」

「エレノア様はこっちだ」


そう言って先に歩くズマーニャの後を付いて行く。
だけど、ズマーニャが連れて来た場所には何もなかった。


人どころか、モノすら置いてない。
街の外れだ。
横に井戸があるぐらいで、民家や店からは離れているし、あまり光の当たらないこの場所は人が好んで来るようなとこじゃないのは確かだった。