「貴方はね、拾った子だったの。
本当に子供が欲しかったんだけど、子宝に恵まれなくて。
そんな時に森で泣いてる貴方に出会ったのよ。
運命だと思ったわ。神様が私達に授けてくれたんだって泣いて喜んだの」

「……」

「本当の息子の様に愛したわ」

「ねえ、サーティスって名前はどうして?」


俺の頭の中にある記憶。
エレノアというヤツが俺の名前を決めていた。

そして、もう妹がいるって事も。


「貴方が言ったのよ」

「……俺、が?」

「私達も信じられなかったわ。まだ口が聞けるわけないのに、ハッキリとサーティスって言ったの」

「……」

「でも、それから貴方が喋る事はなくて他の赤ちゃんと何も変わらなかった。
悩んだけど貴方がそう言ったから、サーティスって名前にしたの」

「そうだったんだ」


サーティスって名前にしておけば、俺はあのエレノアって人物や、妹に会えると思ったからなのか。
流石にそこまでは覚えていないらしく、いくら思い出そうと頭を捻ってみても無駄だった。