「聞こえているの?」

「……」

「素敵。その瞳。今殺すには惜しいわ。そうね。……もっと育ってから」

「……」

「ああ、でも片割れは目障りね。こっちは殺しましょうか」

「……」


そうやって、エレノアが隣にいる俺と瓜二つの妹を見る。
魔力を込めて妹を殺そうと手を掲げた時だ。


その魔力は寸前でパチンっと弾けた。
何で殺すんだ。俺の片割れなんだろ?
俺の、大事な妹。



……殺すなんて絶対に許さない。


絶対に許さない。