「ルーイ。君は僕よりも強い魔力を秘めているんだ。
それはこれからよ~くわかると思うよ。よしっと、これでおっけーかな」
カタラの傷口にかざしていた手を引っ込め、腕で額の汗を拭うとパチフィスタはへたり込んだ。
疲れた~と、愚痴を零しながら。
「……パチフィスタ、悪いな。ありがとう。楽になった」
「は、はは。バカじゃないの?聞いてたでしょ。今の話。
僕はカタラの腕の異変に気付いてたんだよ。それでいて何もしなかったんだよ!?」
「それでも、今助けてくれただろう?
あのままじゃ俺はきっと死んでいた」
「……ほんっとうにカタラって頭おかしい」
「パチフィスタには負けるがな」
「僕はマトモだよ」
「どこがだ。……ルーイ」
苦々しくそう呟いたカタラは、遠慮がちに僕を見た。
それから、サーシャへと視線を移す。
「……行けなくて悪かった」
それに僕はふるふると首を振った。
カタラが悪いわけじゃない。
全て僕が弱い所為だ。
弱かった所為だ。



