奇跡事【完結】



「カタラ!?」

「あら。まだ意識があったの?やっぱり強いのね」

「カタラに何したんだ!?」

「私が素直にカタラの腕を治すと思って?」

「……え」



僕は目を見開くと、その視線をカタラの腕へと移動させた。
ゆっくりと。


カタラの腕は。


暗くてハッキリと見えなかったけど、正常な肌の色をしていなかった。


どす黒く変色し、それは二の腕にまで達している。



「そ、れは」

「腐っていくの。少しずつ、ちょっとずつ。腐食していく。
黒に侵されていくのよ。綺麗だと思わない?」

「……!!なんて、事を」

「そして、ルーイ。貴方は何も出来ないのよ。
救いたい?それなら考える事ね。そうね。例えば……、腕を切り落としてしまうとか」

「……腕、を?」

「しなくてもいいのよ。ただ、苦しみながらカタラの体が朽ちていくだけだから」

「……」

「ふふ、クスクス」



エレノアは高笑いをすると、ニヤリと不敵な笑みだけ残して、一瞬にしてその場から消え去った。
カタラは蹲り、腕を抑えては呻き声をあげている。