奇跡事【完結】



「くく、もう死んじゃったけどね」

「……カノ。お前はエレノア、なのか?」


ひしひしと感じるこの禍々しい魔力。
悪寒を感じる程の、不気味で強大なこの力。


どうして今まで気付かなかったんだろうか。
カタラも、キョウも。


「そうよ。私は私の分身。貴方達と一緒に旅に出たのは楽しかったわ」

「……あの時のサーティスの言葉は」



“……俺に殺されたいなら、本体で来い”


それは。


クスクスと喉を鳴らして笑うカノ、いや、エレノアは、ゆるりと口角を上げて微笑む。



「そうよ、私に向けて言っていたのよ」

「……」

「隠すつもりだったのに、サーティスもパチフィスタも私だってすぐに気付いてたわ。
それでいて、パチフィスタはあんな場所に私を連れて行ったのね。本当に面白い子。
あれで私の心が揺らぐとでも思ったのかしら」

「……」

「私の心が揺さぶられるのは、いつだってサーティスの事を考えた時だけよ」

「……サーティス?」

「ええ」


頷くと、ふふっと笑うエレノア。