奇跡事【完結】



「カノ?それって誰だろうね。ねえ、今の君ならわかるんじゃない?
彼女の魔力が誰に似ているか」

「……誰に?」

「うん。サーシャの事はちゃんと見ているから行ってきなよ」

「信じられない。サーシャは連れて行く」

「あらら。酷く信用を失っちゃったみたいだね」

「……」


僕はサーシャを抱きあげると、カタラの元に行くように念じた。
ぶわっと何かが放出するような感覚。

これがあの、引っ張られる感覚だったのだろうか。


魔力を抑え込まれていた時は、何もわからなかったのに。
解放された途端、教わってもいないのに魔力の使い方が手に取るようにわかる。


どうして、今まで使えていなかったのだろう。
不思議に思うぐらいだ。



……でも、きっと僕の魔力が解放されたのは。

サーシャを失って、更にキョウまでもを失ったから。



強く、強く、祈ったから。
力が欲しい。そうやって。